【酒田市議会場視察】

 平成29年7月に完全開庁された山形県酒田市の新庁舎を視察いたしました。特に注目すべきは,地下水や地中熱の有効利用,エネルギー源の複合化,免震構造の採用や非常用発電設備の設置など災害発生時における市民の安全・安心を守る防災拠点として整備された点でありました。

①エネルギー源の複合化としては電気,ガスによる信頼性の高いシステムを構築されている。   
 
②最上階に非常用発電設備が設置されており,万一の津波被害にも配慮されている。
        
③再生可能エネルギーとして太陽光発電設備が導入されている。 
                
④酒田市の自然エネルギーや水資源を利用し,地下水を無散水型融雪設備や冷房に,地中熱は地中熱ヒートポンプシステムとして暖房に利用している。 

 また,庁内には使用済みの一般コピー用紙を原料として,文書情報を完全に抹消した上で,新たな紙を生産できる世界初の乾式オフィス製紙機が設置されておりました。乾式ということで一般的な製紙方法で必要とされている大量の水を使わないため,給排水工事は不要でオフィスのバックヤードに設置することができるそうです。価格について詳細な回答はいただけませんでしたが,数千万円するそうです。 

 庁舎3階には酒田市議会の議場がありました。多くの地域では国会同様に議長席と演壇の左右に知事や市長を含めた行政側の席が配置されて,その席と対面する形で議員席が配置されております。しかし酒田市議会では二元代表制を具現化する意図であえて議長席と演壇を中央として左右に行政側の席と議員席が対面する形で配置をされておりました。市民から直接選挙された市長と議員が街づくりの両輪として議長の下対等な立場で,市民の幸せのための議論をするすばらしい配置だと感じました。
酒田市議会議場の写真